「WEB制作」の「ディレクション」に日々携わる中でさまざまな出来事があり、「WEBデザイン」に関することについてお話をさせていただきたいと思います。
普段は「WEBディレクター業務」を行っていますが、「WEBデザイン」には、お客様のさまざまな要望があり「求められるスキル」も多岐に渡ります。
その分、スキル的に「得意」と「不得意」があったり「得意分野」や「苦手分野」も出てきます。
私の携わっているプロジェクトでは「苦手分野を補完しあう」という視点で取り組んでいるため、「得意分野を伸ばしやすい環境」ですが、その反面「苦手分野は克服されない」という側面があります。
「苦手分野も改善できる環境を作っていきたい」と思い、「どのようにWEBデザイナーさんが苦手なことを克服したのか?」について書いていきたいと思います。
コーディングが苦手な「WEBデザイナー」のRさん
出身が「芸術学部」のRさんは、「デザイン」が得意な方で「ロゴ製作」や「イラスト製作」を担当することが多くありました。
「私はコードがあまりわかりません」ということで、Rさんには「デザイン」をメインに担当してもらっていました。
「デザイン業務」がある時は良いのですが、「デザイン業務」が無い時は「コーディング」など別の業務を担当してもらいたいところですが、そうはいきません。
何度か「サイト構築をお願いできますか?」と頼んでも「できるかがわかりません」ということで、人手が足りない時は、私が「ディレクター」と兼務しながら「サイト構築」に取り組むこともあります。
「コーディング」に「苦手」を感じた「ある原因」とは?
「コーディングの苦手意識」の原因が何なのかが気になり、「ヒアリング」の機会を作ってもらいました。
話をよく聞いてみると「英語が苦手なので、英語を書いているような気がして、なんだか難しい」とのことでした。
Rさんは元々「広報部」でデザインを担当していて、「WEBデザインの部署」に配属されてきた方でした。
配属されてきた時期が「繁忙期」だったため、「研修」のような機会があまり無く、「コーディング」については「本」を数冊読むように指示されただけだった。
とのことで、本を読んだら「HTML要素名」は「英語」で「英単語」を利用して「id・
class属性」の「値」を設定するなど、「英語に触れる機会が多いこと」でなかなか積極的になれないということでした。
「コードを書くこと」が苦手なのかと思っていたので、まさか「英語」が原因だったとは思いませんでした。
そこで、「WEBデザイン」の「コーディング」で「頻出する単語」をリスト化して、少しずつ慣れていくことを伝えました。
「苦手意識」は「慣れること」である程度克服できることは私自身が体験していましたので、この方法を実践してもらうことにしました。
といっても自分も「英語」は苦手なものの1つですし、今も苦手です。
「必要なら慣れるしかない」という意識で毎日「英語」に触れていると、以前より「苦手意識」も緩和していきます。
そもそも「コーディング」で英会話のような複雑な英語は出てこないので、「意識的なバリア」が原因だと思っています。
「コード」を書くことへの苦手意識
さらに「コードを書くこと」も苦手とのことで、「たくさん」書かなくても良いのでちょっとずつ書いてみるように伝えました。
これも「慣れること」が目的です。
いきなりたくさんコードを書いて「苦手意識が強くなること」は避けたいため、1日ちょっとずつ書いてもらうことを期待していました。
「絵やイラストを描くこと」が中心だった生活から「コードを書くこと」に代っていくのはなかなか大変です。
「WEBサイト構築」は1日では終わらないため、数週間は「コードを書き続けること」もあります。
元々「デザイン職」を希望して入社したのに「コードをひたすら書く」という業務になると、「仕事への意欲」は下がっていきます。
そこをサポートしながら「デザイン業務」から「コーディング」もできるように成長してもらいたいと思っています。
1か月も経つと「コードを書くのが少し慣れてきました。」と言ってもらえたので、実務でコードを書いてもらえることも少し見えてきたのかなと感じています。
定期的な「ヒアリング」と「サポート」を継続するのは「自分の日々の業務」もあるため、大変なこともありますが、これからのチームことを考えると「大切な業務」の1つだと考えています。
「担当分野」が限定的な「WEBデザイナー」のFさん
「こういうWEBデザインの業務があるのですが。」と話をすると「他の人にお願いしてください」と言われたことがFさんとの出会いでした。
なぜ担当するのが難しいのかを聞いてみると「その分野のことをあまり知らないこととその分野に携わることにあまり意欲的になれない」ということでした。
「自分の知っていること」以外のことを調べて学ぶことは「WEBデザイナー」に限らずどのような職種でも必要ですが、「意欲的でない原因」が他に何かあるのではないかと感じました。
WEBデザインに「意欲的になれない原因」とは?
その後、Fさんとさまざまな話をしながら、「意欲的でない原因」について聞いてみると、「得意なデザインを伸ばす方が自分にとっても会社にとっても良いと思っている。」ということでした。
あと「得意でないデザイン」に取り組んだことがあり、「デザインが嫌いになりそうになった」とのことで、「WEBデザイナー」さんに「得意」と「不得意」があることを実感する機会になりました。
ディレクターとしては「誰がどのデザインが得意」というのを把握しておく必要があります。
折に触れて、それぞれのデザイナーさんが「得意なデザイン」について聞きながら、できるだけ「得意なデザイン」を依頼するようにしています。
ただ、このままだと「不得意なデザイン」は「不得意なまま」になってしまいます。
「不得意なデザイン」を「得意なデザイン」に変化させる方法は、まだわかっていません。
そもそも私がエンジニア出身の「ディレクター」なので、何かアドバイスができるほど「デザインに関する知識」がありません。
「不得意なデザイン」を「得意」に変える方法とは?
「不得意なデザイン」を向上させる方法を他のWEBデザイナーさんに相談しながら考えています。
良さそうな案は「自分の不得意なデザイン」を「他の人に見てもらいレビューを受ける」というものでした。
社内で「WEBデザイン勉強会」のような機会を作り、「テーマ」を決めて「デザイン製作」を行うといったプランも良いかもしれません。
いずれにしても「誰かに見てもらう機会」を作るのは大切だと思います。
機会を作るにしてもにデザイナーさんに「負荷」があまりかからないように配慮していく必要もあります。
「ディレクター」と「デザイナー」という接点はありますが、リモートワークが採用されてからは「デザイナー」と「デザイナー」の接点があまりありません。
そのため意識的に機会を作らないと「コミュニケーションが取れない状態」が常態化してしまいます。
これから「デザイナーさん同士の接点」を作れるような機会を作っていきたいと思っています。
「HTMLコーディング」に特化した「WEBデザイナー」のAさん
Aさんと出会ったのは、「中途採用」の時期になり私の部署に配属された時でした。
「WEB制作」の部署のため、これまでの「デザイン経歴」などを聞いてみたところ、前職で数件程度携わったことがあるとのことでした。
どのような業務に携わっていきたいのかを聞いてみると「コードを書きたい」とのことでした。
「デザイン制作」より「コーディングをしたい」という意識の方が強い方で、コーダーさんが不足している私の部署ではとてもありがたいことでもありました。
「デザイン製作」を志望される「WEBデザイナー」さんは多いのですが、「コーディング」を志望される「WEBデザイナー」さんはあまりいないのが現状です。
そもそも「コーディング」は「フロントエンドエンジニア」の領域と重複している分野でもあるので、「コーディング」をメインに行いたい方はエンジニアを目指すケースが多いのではないでしょうか。
それでも「WEB制作」の部署を選んでくれたことはとてもありがたいことです。
弊社にはシステム開発の部署があるので、そちらを志望しなかったのはなぜなのか気になるところでもありました。
「WEB制作」の部署を選んだ理由とは?
「うちはWEB製作の部署なんですけど、システム開発の部署もあるのでそちらは検討されなかったんですか?」
と聞いてみると「前職はプログラマなのでシステム開発の経験はあります。」とのことでした。
「同じ分野にいても自分の知識も視点も広がらないと思い、WEB製作の部署を選びました。」
と言ってもらえたことがとても印象的でした。
実は、私も同じことを思いながら日々を過ごしています。
同じことををずっとやっていても「見える景色」が変わらないので「新しい知見・経験」は得ることは難しいと考えているからです。
しかし、「WEBデザイン」の部署なので、「デザイン制作」にも取り組んでもらいたいという気持ちもあります。
現状は「コーダー」の方が不足しているので、「コーディング」をAさんにお願いしようと考えています。
「デザイン制作」にも取り組んでもらうための方法とは?
Aさんは「デザイン」に興味があるのかがわからなかったため、「デザインを作ることに興味はありますか?」と聞いてみたところ「新しいことをやってみたい気持ちはありますが、デザインのスキルはありません。」とのことでした。
そこで「WEBデザイナー」さんにお願いしてAさんに「デザインスキル」について教えてもらう機会を作ろうと考えています。
私の部署には「新しいことにチャレンジできる環境」が常にある状態を作りたいと思っています。
やってみないことには「向き・不向き」や「得手・不得手」もわかりません。
「業務の適性」を見極めて「業務の割り振り」を行うのも「WEBディレクター」の仕事だと思っているので、こういう機会はできるだけ多い方が「業務依頼の判断」も行いやすくなります。
「新しいこと」に取り組んでいるメンバーは「活き活き」と業務に取り組んでくれているように見えますし、プロジェクトにも活気がある感じがします。
おわりに
会社やプロジェクトごとにさまざまな事情があり、今回お話した内容がどの職場にも当てはまる最適解ではありません。
それぞれの会社やプロジェクトに合わせて創意工夫が求められるところでもあり、そこが「工夫のしがいがあるところ」でもあります。
今の方法よりもっと良い方法が無いかを今後も模索しながら改善していきたいと思っています。