前回納品させていただいたWEB制作会社様から新しい「WEBデザイン」のご依頼をいただきました。
TOPと下層合わせて8ページほどで、デザインテイストは「スタイリッシュ」とのこと。
最近「スタイリッシュ」というご依頼をいただくことが多いんだけど、「スタイリッシュ」が何かを自分もまだきちんと理解していないな~
と思いながら、「スタイリッシュデザイン」の製作に取り組んでいます。
「スタイリッシュ」なデザインは「海外」の方が進んでいると思っているので、海外サイトをひたすらに見ています。
WEBデザインを作り始める前に大切なこと
まずは「どんな情報を掲載するのか?」をリストアップして、どのようなページを作るのかを設計するところから始めるため、お客様と打ち合わせを重ねる日々がスタートします。
WEB製作会社様経由の場合は担当ディレクターの方とやりとりをすることが多いのではないでしょうか。
1つのWEBサイトを作るのに一番時間がかかって、なかなか決まらないところでもあったりします。
デザインが決まるまで1か月~2か月くらいかかることもザラにあります。
お客様もデザインとか構成に悩まれていて、なかなかデザインカンプが完成までたどり着かない・・・
でもそういう過程も「WEBデザイン」にとっては大切な部分でもあったりします。
「自分が知らない分野のこと」を学ぶ機会にもなって、「新しいことを日々学べること」も楽しさにつながったりします。
わりとWEBデザイナーに必要なのは「ヒアリング」を通して「相手の考え」の「深い部分」まで読み取る能力なのではと思っています。
このレイアウト構成を選んだ理由は何なのか?
この色を選んだ背景は何なのか?
このデザインが好きな理由は何なのか?
など、「意思決定の原因・要因」を考えて、「お客様の考えや意図を理解していくこと」を意識してヒアリングを行っています。
「ヒアリングの進め方」って?
ヒアリングを行う場合に「WEBデザイン以外のこと」から聞き始めることが多かったりします。
ヒアリング前に「お客様の業界」についてある程度下調べしているのですが、「浅い知識」なので、いきなり深い質問はできません。
「建設資材販売の業況」など、「一般的な質問」から少しずつ話を広げていきつつ「アイスブレイク」も入れながら「ココロを開いてもらうこと」を目標に話しを始めます。
話を進めていくことで、なぜ「WEBサイト製作」を行いたいのかなどを雑談交じりに聞いていくことが多いですね。
「ヒアリング」は「インタビュー」ではないため、「聞くこと」に意識して「質問をひたすら繰り返す」ことは避けた方が良いと思っています。
あまり親しくない人にいきなり「質問攻め」にされたらあまり良い気はしません。
答えてはくれるかもしれませんが、「お客様との関係性」ができていないため、そこから話を深く聞いていくことも難しくなってしまいます。
そのため、「ヒアリングできる関係性」を初めに築いていくことが大切になります。
雑談を進めていく中で、
そうそう。2か月後に新商品を発売するんだよ。
など、「WEBサイト製作につながる要素」を「お客様」が提供してくれることもあります。
会話のやりとりの中から得た「WEBサイト製作につながる要素」を整理しながら、「ページ構成の素案」を作成していきます。
とはいっても、何もないとヒアリングも行いづらいため、事前に聞けることは「ヒアリングシート」を用意して、あらかじめ入力していただくと「ヒアリングシート」を元に「話し始めるキッカケ」にもなるのではないでしょうか。
「ヒアリングシート」の準備
「ヒアリングシート」を作るにしても「いったい何を聞けばいいのか?」を悩むところでもあります。
「定型的で毎回確認する内容」は「ヒアリングシート」に書いてもらうことで、「ヒアリングの内容」もより深い内容について聞きやすくなるのではないでしょうか。
「ヒアリングシートの内容」として、例えば、
- 「ホームページを制作する目的」と「現状の課題」
- 「どのようなユーザー」にホームページを訪れてもらいたいのか
- 「ホームページに訪れたユーザー」にどのようなアクション取ってもらいたいのか
- 「現在運用されているホームページ」の確認(ある場合はURLの入力)
- 「WEBサーバー」は用意はあるか?(ある場合はサーバー会社名・サービス名の入力)
- 「ドメイン」の用意はあるか?
- 「サーバー証明書」の用意はあるか?
- 制作ページ数(決まっている場合)
- 制作ページの構成及び内容(決まっている場合)
などがあります。
とは言っても、なかなかうまくいかないこともあります。
お客様が「何を作りたいのか具体的にイメージできていない場合」はヒアリング時間もどんどん長くなっていきます。
「ヒアリングした内容」は後日作成する「提案書のベース」となるため、「ヒアリング」が浅いと「提案の内容」も薄いものになってしまい、成約まで至らないこともあります。
はじめはなかなかうまくいかないことも多いですが、ヒアリング経験を積んでいくことで「ヒアリングスキル」もどんどん向上していきます。
WEBデザインの提案書の作成
ヒアリングが終われば「提案書作り」に入ります。
ここからは作業量も増え、ひたすら「WEBサイトの構成・デザイン」を考えて作るというループに入ります。
どこまで提案するかはケースによりますが、「ワイヤーフレーム」を作ってから「デザインカンプ」を作成するのが一般的な流れではないでしょうか。
提案書とセットで見積書を作るケースもあります。
提案書の作成
「提案書」の作成内容は、「お客様の希望」によって変動しますが、主に下記のような内容になることが多いです。
- WEBサイト制作の目的
- WEBサイトの役割
- 想定するユーザーについて
- 市場について
- サイトマップ
- CMSの機能について
それぞれの内容についてご説明していきたいと思います。
WEBサイト制作の目的
「なぜWEBサイトを作るのか?」という「WEBサイトを作成する目的」を示します。
「こういう目的でWEBサイトを作ります」という確認の意味もあり、この部分が曖昧だと「そもそもWEBサイトが必要なのか?」ということにもなりかねません。
例えば、
- 会社の認知度を上げるため
- ネットユーザーに新たな顧客になってもらいたい
- 会社の信用度を上げるため
などさまざまな理由があります。
必ず何か「WEBサイトを製作する目的」があるはずなので、それを記載していきます。
WEBサイトの役割
「WEBサイトがどのような役割を持つのか?」を書いていきますが、例えば、「WEBサイトを作って売り上げを上げること」が目的だった場合、WEBサイトの役割として、
- 商品の「問い合わせ」ができる
- 商品の「販売」ができる
- 商品の「資料ダウンロード」ができる
などが考えられます。
「商品・サービスなどの購入」につなげることが目的ですが、WEBサイトはお客様との接点を作る「ファーストコンタクト」を行う役割を担っています。
想定するユーザーについて
どのようなユーザーを想定してWEBサイトを作るのかを書いていきます。
例えば、「若者向けのオリジナルシューズ」を製作・販売しているサイトの場合は、「20~30代の男性」を想定して、「若い方に適したデザイン」を考えていきます。
お客様にヒアリングしている中でも「どのようなユーザー層」を想定しているのかは必ず確認しています。
市場について
お客様が事業を行っている「市場(マーケット)」についても概況を記載していきます。
できれば「市場の中でのお客様の優位性」などを軸に「WEBサイトを製作するメリット」も書いている方が良いです。
この部分もお客様との対話の中で明確になってくることも多々あります。
サイトマップ
「ページの構成」が一目でわかるようにサイトマップを作成します。
お客様に「WEBサイトの全体像」を把握していただき、「内容の不足」や「重複」が無いかを確認していただくという役割もあります。
例えば、
のような「WEBページの階層構造」がわかるような「サイトマップ」を作成していきます。
CMSの機能について
「CMS(Contents Management System)」を利用する場合は「CMS」にどのような機能を持たせるのかを書いていきます。
例えば、
- 「ニュース」と「製品情報」を作成・管理できる機能
- 「お問い合わせ」ページから入力した内容をメールで受信する機能
など、「CMSで実装する機能」について書いていきます。
おわりに
「ヒアリング」の方法も「提案書の作成方法」も人それぞれでさまざまな方法があります。
これが唯一の正解というのはありませんが、日々経験を積んでさらに良い提案ができる「提案力」を磨き続けることも「WEBデザイナー」に求められているのではないでしょうか。